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「ノロイ」観賞

怖い怖いと言われているこの作品。根っからの小心者・怖がり・チキンである小生ですので、普通に観ることが出来ずに普通のテレビもつけっぱなしで「最強の男は誰だ!筋肉バトル!!スポーツマンNo.1決定戦XXXIII」を垂れ流しながらの観賞と相成りました。それなら最初から観なけりゃいいのに。でも観た。
恐怖度自体は、別にどうってことないっちゃあ、どうってことないです。刺激の強いショック映像がほとんど無いというのもあるし。ただ、全体に何となくイヤ〜な、ジメッとした空気が漂っていて、それがじわじわと、本当にじわりじわりと観る者の中を浸食していく感じ。怖いと言うより、気味が悪い、と言った方がいい。これが日本のホラーとゆうものなのかしら。で、ジメッとした空気がじわりじわりと浸食する過程が全体の四分の三くらい続くので、ああ、こりゃ最後までこんな感じかな、別にそんなに怖くもなかったな…とか思ってたら、最後の二十分くらいがかなりイヤ〜な展開。てか何あれ。あれは何だったの。あれは何。動いてたけど。それでも「まあ、こんなもんか… このままエンディングかな…」とか油断してたら、最後の五分が本当にイヤ〜な展開で、物凄く後味悪かったです。何。どうして。ホラーとしちゃ正解なんだろうけど。
以下ネタバレくさい感想というか的はずれなツッコミというか。


ほとんど伏線がそのまんま残されてる気がしますが、伏線らしきものは単に恐怖感を煽るための演出でしかないんでしょうか。ホラーの伏線なんざそんなもんだと言われたらそれまでですが。自分が重要なシーンを見逃していたら申し訳ないですが、例えば鳩。鳩には結局何の意味が? 犬は「かぐたば」を召喚するための生贄であることはわかりましたが、鳩は結局特に意味なかったんでは。小林家に鳩が投げ込まれたのも何だったのか。誰が、何のために投げ込んだのか。これも不気味さを煽るための要素でしか無かったのかね。奇妙な編み込まれ方をした縄や、奇妙な紋様も結局なんだったのかわからないままだったけど、紋様は恐らく最後に出てきた「かぐたば」召喚の絵巻に描かれた「かぐたば」の姿を図式化したものなのだろうなと。でも縄はわからん。あと男の声。あれは結局「かぐたば」の声ってことでいいんすかね。連れ去られる直前の可奈ちゃんが何を知っていたのか、解っていたのか、悟っていたのか、というのもようわからんままだった。ま、そこはわからんままの方が気味が悪くていいとは思うけど。超能力実験で赤ん坊の髪の毛を出現させたのも、何故そこに現れたのか。可奈ちゃんて何だったのよ。「かぐたば」によって一方的に巫女に選ばれたってことか?
最初に出てきた母子が自動車事故で死んだ理由。矢野可奈ちゃん失踪後、旦那さんが奥さんを刺し殺した理由。七人が集団自殺した理由。石井潤子が自殺した理由。堀があの少年を殴打した直後に顔面血塗れの少年の手を引いて連れ去り、後日変死を遂げた理由。そして小林の妻が自分の体に火を着けて焼死した理由。間接であれ直接であれ「かぐたば」に関わった人間は次々死んでいるわけですが、これは手当たり次第に殺してるだけな気がします。僕は怖がりなのでホラーはそうそう観ないんですが、「リング」にしたって人が死んでいくのには「呪いのビデオを観た人間が死ぬ」っていう共通項があったわけじゃないですか。でもこの作品の場合、何がどうなって人々は死んでいるのか、理由や原因が漠然としすぎてる。「かぐたば」の呪いであることは確かなんだろうけど、どうにも釈然としないもんがあります。
テーマが「ノロイ」だからしゃーないんでしょうけど、あまりにも超常的な要素・能力に頼りすぎた展開にもちょっとなあ。霊能者とかあまり出さない方が良かったんじゃないのか。霊感の強い松本まりかが触れちゃったシーンなんかはショック効果は得られるだろうけど、あまりにもやりすぎて最後は白々しさも漂ってたし。あとは霊能者の堀に頼りすぎだろう。堀が山中に突入してったとこからの展開はちょっと強引すぎ。ダムで行った簡易儀式がよくなかった、てことですか。不作法であったが故に余計まずいことになったと。「かぐたば」出現(?)のシーンは気味悪かったけど。
で、最後の五分。ここは実に生々しくてショッキング。堀が小林の家を突き止めたのは「霊感で少年の所在を突き止めた」で説明できるんだろうけど、石で少年を殴打する途中で唐突に大人しくなり、いきなり小林をブン殴ってから少年を連れ去ったのはどういうことだったのか。堀に何が起きたのか。そしてその時奥さんの中で何が起きたのか。とにかく不気味。でもそんな一大事なのにカメラを手放さない小林。そのジャーナリスト根性には頭が下がります。
ホラーは理屈で説明できるもんじゃないというのは分かってるけど、それにしても「説明不足」の感が否めないかなあ。もうちょっと小林さんには頑張ってもらって、諸々の謎を解いていただきたかった。そんな小林さんは今も「かぐたば」の謎と格闘中、てことなんですかね…。あーでも多分、小林さんは死んだのかもな。カメラを手放したってことは。最後に自画撮りで何かメッセージを残してくれればブレア・ウィッチ臭くて面白かったのにな。ブレア・ウィッチ観てねえけど。だからオデは根っからの怖がりだと言っているだろう!?
で、これがフィクションかノンフィクションかというのなら、まあフィクションでしょうな。所々のディティールは上手く出てたと思うけど。「ダムに沈んだ廃村の伝説と儀式」という設定もいい。実際ありそうだし。事実か否か議論するのもいいですけど、「まあ、有り得るかもね」くらいの感想で留めとくのが一番いいんじゃないスかね…。
蛇足ですが、「妙にリアリティがある」という点なら、比べるのもおかしいけど、これよりよほどにファンタジー臭いクトゥルフ神話や、よほどに有り得無さそうな「ドグラ・マグラ」の方が上な気もしますです。


と、まあ批判的なことを書き連ねましたが、繰り返しますが根っからの怖がりである僕ちんですので、今日は寝付くのに時間が掛かりそうです。ゆかいなインターネットでもして楽しい気分になってから寝ることにします。