65536 tunes for MIRAI

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幾何05 at 仙台CLUB JUNK BOX

おらほの町・仙台にメルツバウがやってきた! そんなわけで、以下思い出メモ(ライブレポと呼ぶことは放棄しました)。


そんなわけでメルツバウですけど、しかしですよ、いくら世界的に評価を受けている、日本のノイズ・シーンを代表するようなアーティストとは言え、ノイズはノイズですよ。その音楽性は、もう本当にノイズとしか言いようがないくらい見事にノイズなわけですよ。ちなみにこげな感じのことをやってる人です。↓





もう十分ですかそうですか。
他の出演陣も大層濃厚な人達が集結しているようでして、そんなアンダーグラウンドなイベント、東京や大阪でやるならともかく、仙台なんかでやってまともに人が集まるのかという極めて素朴な疑問がありましてね。そこで開場直後に、会場の前を通りかかったフリして内部を覗き見ると、見事に「無人」に近い空虚な空気が漂っていたので、思わず天を仰ぎ、逃げるようにして階段を昇り、外で一服して心に平静を取り戻しました。そして中に戻ろうとすると、こげなポスターが視界に飛び込んできた次第です。



ほう、これは本日のイベントのポスターではないですか。しかしながら、その下に、妙に気になる貼り紙が。「本日、ホール内はアーティストの意向により、禁煙とさせて頂きます」ですと…。どう考えてもメルツバウの人の意向だよねこれ。なんかホール内禁煙かも、という気はうっすらしてたけど、まさか本当に禁煙とは。この貼り紙、会場内のいたるところに何枚も貼られていた上に、ご丁寧にスタート前にはホール内禁煙を告げるアナウンスまでされていました。相当に、メルツバウこと秋田昌美氏には気を遣っておられる御様子。この貼り紙&アナウンス効果もあってか、みんな真面目に(?)ホールの外で吸ってました。あと始まる頃には割とお客さん入ってた。


んでは本編。まず最初は「iii」、と書いてスリーアイ、と呼ぶバンド、つーかユニット、つーか。全員座りで各自PCを前に置き、センターのボーカルさんの正面にはスクリーンが設置され、メンバー三人の内一人が映像担当、といういきなり飛び道具の出現。MCでは随分ウケをとっていましたが、音楽性自体はこの日出演した中では最もポップでわかりやすかったです。甘くポップにコーティングしたような歌物エレクトロニカ〜ドリームポップというか。激しいビートが印象的なアグレッシブな曲もあったけど、多分テクノ/ハウス系の音は通ってきてないんじゃないかという気が。CD買ってみても良かったけど買うの忘れてた。


次はvoMitなるバンド。トイレ&一服休憩して戻ってくると、ステージには何やら幕がかけられ、内側でゴソゴソとセッティング中。その内ドラムやギターをチェックする音が聞こえてくる。でもこんなイベントだし、かなり奇矯なステージセット組んでんじゃねーか? トリプルドラムとか、一体どう使うのかまったく予想がつかない機材とか…と思ったものの、しかしスタッフのお姉さんが幕を外すと、そこにあるのは普通にドラムのみ。なんだ、割と普通だな…と油断していたら、照明が落ち、スモークの向こうから出てきたメンバー三人は全員白塗り! そう来ましたか。そして音はゴリッゴリの轟音ファスト・ヘヴィ・ロック! しかもインスト! 白塗りだし、なんとなくデス/ブラック系のバンドのように思えるけれど、メタル系にありがちなギターソロが全然なくて、とにかくリフでゴリ押ししまくるタイプ。凄まじい音圧の轟音を躊躇わずに放出し、基本的に全曲ファストなのは好印象。まあイベントのカラー的には少々アウェイ感はありましたが、結構かっこ良かったんじゃないですかね。ちょっとネット調べてみたら、仙台のラジオに出演した時の様子がございました。そこで曲も聴けます。
http://datefm.jp/rock/radio/006_010.php


お次は「-W-」と書いてワイキキ・チャンピオンズ。読み方わかんねーバンドばっかだな…。見た目は普通の4ピースで、普通にヴォーカルさんもいます。演奏の仕方も普通です。ですが、音楽性自体は、なんでしょう、ファンクっていやファンクなのか。かなり奇矯に、異次元方向に捻れたファンクだけど。突っ走ってつんのめって転がりそうになってそれでも転ばずターンをキメてクルクルと踊ってるような、って全然わからんな。しかしちょっとクセになりそうな感もあり、もう一度観るチャンスがあるなら観てみても良いかも。公式サイトで音源も聴けます。
http://waikiki-champions.hp.infoseek.co.jp/
最前にいたのは、このバンドのファンつーか知り合い?だったのかね… 仄かな身内臭がして、身内臭を好まない(または単なる寂しがりや、もしくは友達少ない人間のひがみ)僕ちん的には、うーん、て部分もあったけど。しかしMCでワインの話をしたら、ライブ後、そのファン?の人らがこぞってバーカウンターでワイン注文してたのは笑った。何なんだ。


はい、次はSILVER SPOON EYEBALL。インスト&変拍子バリバリらしい、という事は聞いておりましたが、うーん、それほど驚くようなもんでもなかった気がすんなあ。てゆうか、どうにもこういう、リズム的にユルい、インスト系のバンドはちょっと苦手ぽいです。ごめんなさい。


んでようやっとメインディッシュのMERZBOW。セッティング中から妙に漂う緊張感。ステージ中央に設置されたテーブルには無数のコードで繋がれた機材というかエフェクターというかノイズ発生装置が大量に並べられ、その中に置かれたノートのディスプレイ裏には、「MEAT IS MURDER」の文字が…。この人捕鯨に反対してたりそーいう人で、菜食主義を貫いているとか何とか。ライブは凄まじかったです。ノイズのライブ自体初体験ですが、それにしたって想像を絶する轟音ノイズの大波が間断なく押し寄せ続け、本気で全身がビリビリいってました。途中、メルツバウにおけるギター?みたいな謎めいた機材を肩に掛け、それを使って延々とノイズを放出。ありとあらゆる全ての事象を容赦なく破壊し、そして瞬時に再構築していくような、その瞬間の尋常ならざるカオスを音像化していくような。凶暴だし攻撃的だし破壊的ではあるけれども、単なる破壊的ノイズには収まらないようなものは感じました。でもさすがに爆音で容赦なくノイズを全身に叩き付けられたお陰で、しばらくはノイズのライブはいいやー、と思えるくらいお腹一杯になりました。


最後は主催のobs、と書いてオブス。だから読めねえっつーの。最初から設置されているステージ照明は一切使用せず、裸電球一つのみで照らし、音は変拍子ツイン・ドラムという、さすがこんな変なイベントを主催するだけのことはある変なバンド。裸電球一つじゃ、ほとんど何も見えねえんじゃねーのか? ウチらはともかく、演奏する側も何も見えんのでは大変ではないのか? と不安だったけど、実際は電球が結構明るかったので問題なし。ヴォーカルの女性が呪術的に歌いつつ裸電球を振り回すたびに影が揺れ、変拍子がドコドコと鳴り響き、ギターはどこか不穏な音色を奏で、もう妖しさ全開のステージング。しかしながら、トータルで見ると音楽性自体はダークでシャーマニックな雰囲気がありつつも案外聴きやすくてノリやすくもあり、ライブパフォーマンスのインパクトも手伝って、もっと表現を突き詰めれば中毒者も出て来るんじゃないかと思わせるモンがありましたね。結構面白かったです。


ところで。このライブで一番驚いたのは、メルツバウの轟音ノイズでも何でもなく、職場の人に遭遇したことでした。しかも女性です。全体的に女性客の多いイベントではあったけど、それにしたって何でこんな所に? と衝撃を隠し切れませんでした。向こうから声を掛けてきて、こっちはキョトーン、ですよ。状況を理解するのに数秒かかった。なんでこの人はこんなアンダーグラウンドなイベントの会場にいるの? なんでこの人の口から、ノイズ、だの、メルツバウ、だの、秋田昌美、だのいう言葉が出てきているの? と思わずにいられませんでした。人間、わからないもんですね。そういう僕も、ライブ観賞が趣味だとは思われていないぽいですけど。


最後はメルツバウTシャツでも買って帰るか… と画策するも、売ってたのはCDだけでした。なんか悔しいので、アルケミーのネット通販ページで買ってやります。
http://www.kt.rim.or.jp/~jojo_h/ar/ams_online/cgi/show_tbl.cgi?category=T%2DSHIRTS


あと、翌日になっても耳鳴りがおさまりませんでした。轟音過ぎ。